恋泥棒の巣窟!



マークはシュルクと顔を見合わせる。

「……魔導書だよね?」
「あっ」

それもそうかと気付いてマークは歩み寄るとディディーの手から本を受け取る。

「うーん?」

本の背表紙から裏表紙まで隅々まで確認するも。

「似ているけど……僕のじゃないな」

違うのかよ!

「ルフレに聞いてみたら?」
「それもそうだね」

マークは膝に手を付いてほんの少し屈んで視線を合わせながら笑いかける。

「ありがとう」


破壊力。


「っ、ど……」
「どーいたしまして……」

こんな。視線合わせてくるだけで。


ズルじゃん……


「あっ」

ある一室の扉が開くとマークは気付いたように、

「ルフレ!」
「あら、兄さん。おかえりなさい」

ぱたぱたと駆け寄る。

「かっこいー……」

ピチカは思わずぽつりと呟いた。

「ありゃモテるわけだよなー」
「お兄さん属性がずるいんだって」

トゥーンとディディーは口々に肩を落とす。
 
 
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