恋泥棒の巣窟!



チュッ。

「報告に行くわよ。ルルト」

髪飾りを受け取ったベヨネッタは歩き出す。

「またね、お姉ちゃん!」

手を借りて立ち上がったピチカが言うとルルトは小さく笑みをこぼして手のひらをひらり。

「おまたせっ!」

好待遇を受けてすっかり気を良くしたピチカだが四人の元へ駆け寄るなり首を傾げた。

「ディディー?」


今。……きっ、


「きゃー!?」

甲高い悲鳴が響き渡る。

「……何をしたのよ」
「ボウヤにはまだ早かったかしら」

そんなやり取りの一方で。

「お、おま、お前ら、見てないよな!」
「何かあったの?」

ディディーは耳まで真っ赤にしながら、

「なんでもないッ!」


大人の女性って。


「違うなぁ」

訪れたのはカムイとカンナの部屋。

「姉さんはどう?」
「私の持っている魔導書と似ていますね」

そう。忘れ物である残りの二冊は本。それも魔導書ということもあり彼らならと思ったのだが残念ながら宛てが外れたらしい。
 
 
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