恋泥棒の巣窟!




天空大都市レイアーゼ。

中央司令塔の四階には言わずと知れた第四正義部隊フォーエス部隊の寮がある。今やX部隊と首位を争うレベルの評価を受けているフォーエス部隊は弱きを助け強きを挫く──というよりは正義を助け悪を挫くというように置き換えた方がしっくりくるくらいには悪を打ち滅ぼす為なら手段をも選ばないある種冷酷な集団組織。


そんな、彼らの拠点なんて。

足を踏み入れることがないと思っていたのに。


「忘れ物ないよね?」

中央司令塔を前にして紙袋の中を覗き込むのはピチカである。その横から覗き込むのはネスとリュカ。予め渡されていたメモと見比べて。

「大丈夫!……多分」

その様子を眺めていたディディーとトゥーン。

「何かあれば兄ちゃん達から連絡来るだろ」
「そーそー」


X部隊の子供組といえばこの五人。

そんな彼らが聳え立つ中央司令塔を何故不安げに見上げているのかというと。


「あの人たちって忘れ物とかするんだな」

ネスがぽつりと。

「俺だって忘れ物すんだからそりゃそうだろ」
「「俺だって」って何だよ。お前は目的地に着いたら目的忘れるタイプじゃん」
「鳥みたいに言うなっ!」
「はいはい。お猿さんでしたー」

お馴染みの喧嘩勃発。

「もー!」

ピチカは腰に手を当てて膨れっ面。

「喧嘩するなら帰っていいんだからねっ!」
 
 
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