例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説



「、ッ!」

少し反応は遅れたものの死角から襲いかかった影を既の所で躱したロックマン。お馴染みの青の装甲を身に纏い戦闘体勢に入ったところで。

「うわっ!」

パックマンの声。

「な、……なんだよこれっ」

影の正体は表面に粘膜を張っててらてらと光っている赤みを帯びた触手。その群れ。

「キモすぎっ!」

片足を絡め取られて逆さ吊りになっていたパックマンは反動を付けてもう片方の足で蹴り上げると解放されたと同時に手のひらの上にドット状の鍵を形成して触手目掛け投げ付けた。触手はその一撃を食らうと怒り狂ったようにパックマンに襲いかかるも難なく回避すればその隙にロックマンの砲撃が触手を撃ち抜いて。

「くっ」

だがしかしロックマンも腕に触手が絡み付けば眉を顰めて呻いた。その姿を目にしたパックマンは瞬時に跳び上がると触手の真上から消火栓を叩き落として触手を撃退。

「この一帯は魔物の巣窟のようだな」
「無視した方が良さそうだけど」

会話を阻むように触手が襲いかかる。

「ちっ」

双方共に即座に回避して構え直したが今度は触手の反応が早かった。次の瞬間には手足それぞれを絡め取られて宙吊りに。触手は味見でもするかの如くもがく二人の頬や首筋を伝う。
 
 
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