例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
一行はロックマンの指示に従って足を止める。
「分かれ道ですね」
正面、そして左右に道が分かれておりいずれもその先の様子は窺えない。耳を澄ませど当然のように音はなく風も感じられないものときた。ロックマンは暫く考えた後に結論を出す。
「俺とパックマンは正面を行く」
「はいはーい」
「ルキナとルルトは右を」
「分かったわ」
「残りは左から行ってくれ」
「了解」
靴音が響き渡る。
「いよいよですね」
一方の監視室ではリンクがその様子を映し出した映像を食い入るようにして見つめていた。
「僕からやっちゃっていい?」
「どんなトラップにしたんだい」
「大丈夫。定番中の定番だから」
「何が大丈夫なんだよ」
すかさずマリオが突っ込む。
「んふふ。カタブツ君とクソガキ君にはこれしかないと思ってたんだよねえ」
カービィは映像を見つめながら機械に搭載されている桃色のボタンに指を添える。
「……覚悟しててね?」
場面は移り変わる。
「ルキナとルルト二人だけでよかったのかよ」
「問題はない」
暗い一本道を歩くのはロックマンとパックマン。
「女性と男性に分かれた方がやりやすいだろう」
「関係あるのかなぁ」
そんな何の変哲もない会話の最中。
──影が蠢く。