例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説



監視カメラが映像を映し出す。

「概ね予想通りのメンバーだな」

ダンジョンの入り口に立っていたのは。

第四正義部隊フォーエス部隊の隊長ロックマンを筆頭にパックマン、マーク、シュルク、ルキナ、ルルト、勇者のイレブン、クラウドの計八人。

「被りなしの属性勢揃いじゃん。カタブツ系にクソガキ系、お兄さん系に幼馴染み系、女騎士系にツンデレ系、ミステリアス系、クーデレ系……」

やりがいありそー、とカービィはにやにや。

「あいつの何処が正義なんだ」
「悪戯は彼の専門職ですからね」

呆れ顔のマリオにリンクはにこやかに答える。

「ふふ……映し出されている映像は抜かりなく音声付きで録画しているからねぇ……」

ダークマルスはうっとりと。

「今日はお互いに心ゆくまでたぁっぷり愉しもうねえ……正義のヒーローさん……?」


場面は移り変わる。

「ここだね」

マークは目的地を見上げた。

──快晴の青い空に似つかわしくない黄土色の煉瓦の建造物。見るからに攻略に手間が掛かりそうなそれはひと言で言うならばダンジョン。入り口に門や扉といったものはなくご丁寧に松明が両脇に置かれているだけで大きく口を開いたその先は真っ暗闇で底が知れない。

突如としてフォーエス寮に寄越された一通の手紙には彼の有名なバトレンジャーを捕らえたという挑発文とその場所が記されていた。どんな罠が仕掛けられているかは知らないがその差出人が敵対組織の亜空軍に所属しているダークシャドウともなれば話は別。駆け付けない手はない。
 
 
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