例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
白を基調に黄色のラインが特徴的なバトレンジャーのコスチュームを身に纏いポーズをキメていたのはなんとルーティだった。
「イエローは殉職してる設定だからな」
「えっそうなの?」
「パックマン知ってるよ。俄かのコスプレが一番反感買って叩かれやすいってこと」
恐ろしいことを言う。
「と……とにかく!」
ルーティが睨み付けた先には囚われのマリオ達の姿があった。視線が合わされば各自慌てたように身振り手振りで説得。フォーエス部隊に正体がバレたらどうなるか分かったものじゃない。
「……、」
小さく息を吐いたが刹那。
腕を打ち払って雷撃を落とす。
「ぎっ」
こっそり逃げ出そうとしていたスピカの足下。
「スーピーカー?」
黒オーラを纏いながら、笑顔で。
「今度という今度は容赦しないんだからね! このばかああ!」
「いぎゃああぁあッ!? お前ら撤退、撤退ぃいい!」
そんなこんなで事件は解決したのだが。
「巻き込まれただけなのに……」
今回の件に加担した四人がその罰として屋敷中の掃除を隅々までやらされたのは。
「何言ってんのこのヒゲ」
「ノリノリだったじゃないですか」
……言うまでもない話。
「てーかマジでなんであいつらトラップにかかんなかったんだろ」
「主人公だからじゃないですかね」
「ええー……」
主人公補正には勝てない。
end.
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