例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
「殺せえ……殺せえええ……!」
「役に入り切っていますね」
「好きなシチュエーションみたいだからね」
「まだ言うかっ!」
四人がちゃっかり楽しんでいる一方で。
「くっ」
思わぬ防戦一方を強いられるロックマン達──攻撃を下せばまだ意識のあるバトレンジャーが犠牲となる可能性だって。冷酷無比に行動を起こしたいところだが強い憧れを抱いてきた相手なだけに躊躇われる。そんなロックマンの心情を他の隊員も理解してくれているらしく防御と回避にばかり専念する時間が続いた。
「あれ! 何とかして引き剥がせないのかよ!」
苛立ちに声を荒げるパックマン。
「何処まで融合してしまっているか分からない」
ロックマンは眉を寄せながら。
「無理に引き剥がすのはリスクが」
その時だった。
「、おや」
操縦していたダークファルコが異変に気付く。
「あれ。動かねーんだけど」
「どうなってやがる」
ダークフォックスとダークルイージが口々に言う中でマシンは小刻みに震えた後、その目から光を失うとゆっくりと地面に膝を付く。
『見つけましたよ!』
次の瞬間──マシン内部のモニターがモンスターボールのマークで埋め尽くされて。
「、な」
「ハッキングですか」
『非戦闘員の取り柄です!』
無線を通して聞こえてくるのはブルーの声。
「この世に蔓延る悪の全て!」
この声は。
「決して見逃し──許しはしない!」
高台にスポットライトが落ちる。
「正義の鉄槌、雷が使い!」
「……ルーティ?」
「なんでバレたの!?」