例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
爆撃──黒煙の中から飛び出したのはルキナとルルトである。振り下ろされる長い腕による一撃に双方二手に分かれて回避、ルルトは片膝を付きながら電撃を放つべく頬に青の閃光を走らせたが気付いたルキナが即座に止めた。
「駄目です! 攻撃をしたらっ」
「……、して、……」
反響する弱々しい声。
「は、……なに」
パックマンは僅かに顔を引き攣らせる。
「……殺して?」
紛れもない──それはバトレンジャーの一人たるコスモピンクの声。
「あはははっ……いい顔してくれるねえ……!」
その場にいた誰もが目の色を変えた。
「ダークシャドウ……ッ!」
ロックマンは怒りを露わに右腕を構える。
「やれるものならやってごらん! 逃げも隠れもしないのだから──!」
一方。
「今の超名演技じゃない?」
「役者ですね」
「俺も言ってみたいんだがいいか?」
「いいよー」
「しっ。聞こえるよ」
案外無事である。