例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
「あぐ……ッ」
……何が、起こった?
気付いた時にはもう既にダークミュウツーは地に転がり伏せていた。体を起こそうにも体の表面を青い閃光が走るばかりで言うことを聞かない。
「催眠術には弱点がある」
マークが立ち上がる傍らで横たわるシュルク。
「一つ。術者は離れられない」
ゆっくりと踏み出しながら。
「二つ。術に集中する必要があるから動けない」
冷たく見据えながら。
「三つ」
魔導書を構えれば足下に巨大な魔法陣。
「──遠隔魔法に弱い!」
容赦ない。
「彼、賢いね」
「まあ普通はそうするんですけどね」
「何故かそこまで頭が回らないやつだな」
マリオはうんうんと頷く。
「どーすんの?」
ダークフォックスは振り返る。
「全部トラップ回避されてっし」
「合流までしていますね」
するとダークマルスはくつくつと忍び笑い。
「安心して……
そうして視線を向けた先。
「え?」
「成る程」
「そういうこと」
「……まだ何かあんの?」
躙り寄る影。
「ぎゃああぁあああッ!?」