例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
じりじり、と。詰め寄るその人に合わせて後退りする他なく苦渋の表情を浮かべる。
「あはぁ……手を出せないよねえ……」
ダークミュウツーは朱色に染めた頬を両手で包み込んで恍惚と見つめている。そんな敵の視線に晒されても尚洗脳にかけられたその人は足を止めずにマークの目の前にまで迫ると不意に両肩を掴んだ。油断をとられたマークは突き放す選択を取ろうとするものそれより早く体勢を崩されて地面に尻餅を付いたが直後に影が差して覆い被さられるような形となってしまう。
「いいねぇ……ほら、……好きなようにして」
ダークミュウツーの指示に従うようにシュルクはマークの抵抗など物ともせず服に手を掛けながら顔を近付ける。その目にハイライトが失われていようと彼が彼であることに変わりはないばかりにまさか嫌がるなんてことは。
「、目を、覚ますんだ……シュルク……っ!」
息を呑んで映像が見守られている側でカービィは呑気に自身の端末を開いていた。
「おーい。興味ないのかよ」
「そうじゃないけど」
カービィは端末の画面をマリオに見せる。
「うお」
着信の履歴がずらりと。
「多分あっちも同じなんだよね」
カービィが視線を向けた先には何か焦った様子で端末を懸命に操作している様子のスピカ。
「嫌な予感がしまーす」
「おいおい」
「決着が着きましたね」
リンクの声に二人は映像に注目する。