例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説
現れたのはダークミュウツーだった。マークとシュルクはそれぞれの武器を構えたが一方でダークミュウツーはその体をたちまち黒く染め上げると煙状化して消失。次の瞬間にはシュルクの正面に現れて──赤の目が金色に瞬く。
「シュルク!」
反射的にモナドを振るったが手応えはなかった。異変は考えるよりも早く襲ってきてシュルクは眩む視界に頭を抱える。マークはふらつく彼の元へ駆け寄るって案じながら離れた場所に姿を現したダークミュウツーをきっと鋭く睨み付けて。
「何をしたんだ!」
「急かすねぇ」
ダークミュウツーはにやりと笑う。
「まともに戦っても勝てるわけがない……なら、例え姑息でも手段は選ばなくちゃ……ねぇ?」
そうして視線を向けた先。
「シュルク?」
ゆっくりと赤の目を擡げる。
「あーそういうこと」
カービィは映像を目に納得の声。
「なかなかえげつないことするじゃん」
「そうでもないよ」
マルスは純粋に笑う。
「好きな人に堕とされるなら本望でしょ?」
うっわあ。
「敵の洗脳にかけられて意志を喪失した仲間を手にかけるなんて出来るはずもなく、人形のように淡々と行為に臨むのに快楽には逆らえず敵の前で堕とされ、思考さえ幸福に蝕まれていく……心の葛藤に三半規管さえ疼くようだよ……」
「下衆じゃねえか」
マリオは呆れたように目を細める。
「まさか。彼らの関係を知った上での作戦だよ」
マルスはにっこりと。
「幸せに決まっているじゃないか」
うっわあ(二回目)。
「これが噂の黒マルス様ですか」
「どっちが悪か分かんねえな」
「今更すぎない?」