例のトラップダンジョンならどんな相手でも屈服させられる説



「大丈夫?」

ルルトは隣を歩くルキナに声を掛ける。

「震えているけれど」
「大丈夫です!」

ルキナは慌てた様子で応える。

てっきりマークさんと組むことになると思っていましたが。まさか新人枠であるルルトさんと組むことになるなんて思いもしなかった。


……先輩として!

私がルルトさんをサポートしなければ!


「この一帯は気温が低いものね」
「そ、そうなんですよ」

ルルトは困ったように腕を組みながら。

「気分が上がれば火を起こせるのだけど」
「……気分によるんですか?」
「背景が爆発するのよ」

ルキナは頭の上に感嘆符と疑問符。

「あれって自然発生する仕組みだったんですね」
「そういうことになるわね」

次いでルキナは肩を落としながら。

「わ、私には荷が重すぎます……」
「流石にそんなボケ無しのツッコミ待ちみたいなことしないわよ」

そんなやり取りを交わす最中。

──複数の影が。前方に立ち塞がる。
 
 
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