ダークフォースは眠らない
マスターとクレイジーは顔を見合わせる。
「寝るだろう」
「寝るでしょ」
口を揃えて。
「てーか今まさに寝てんじゃん」
……は?
「リーダー」
傍らのダークウルフが声を潜めて呼び掛けるので恐る恐る天井を見上げてみると。
天井いっぱいに張り巡らされた触手の中にひと際大きな塊。それは触手が繭のように或いは揺籠のようにダーズを包んでいるらしく寝息に合わせて微かに膨らんだり縮んだり──
「普通にホラーじゃん」
「グロテスクな化け物でも出てきそうですね」
ダークフォックスとダークファルコが見上げて口々に言う中スピカはようやく真実を得て安心したのか半笑いを浮かべて。
「よかった……」
そこで力尽きたのか体が傾いてぱたりと。
「リーダー!?」
全く読めない展開にマスターとクレイジーの頭の上に疑問符が飛び交う。
「……無理をさせすぎたか?」
「兄さん。作戦決行日時ずらそっか」
……ちなみに。
「はは」
キーラはにこやかに見上げながら。
「無防備で可愛らしい」
神様の感性というものはちょっと分からない。
end.
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