ダークフォースは眠らない
亜空間。研究施設を模した黒塗りの基地。
この世界の主たる双子が鎮座する王の間でこの日もスピカを筆頭としたダークシャドウが跪き任務の経過や結果を報告する。
「……東の国の達成率は褒められたものだが」
マスターは報告書を手に目を細めて足を組む。
「小賢しいな」
「またあいつら?」
ひょいも横から覗き込んだクレイジーがあからさまに嫌そうな顔をして。
「申し訳ありません」
「いや。奴らの実力は熟知している」
彼らが揃って毛嫌いしているのは言わずもがな正義部隊の連中だ。実力派揃いであることもそうだが何より部隊を率いる隊長とやらの指揮が的確で有利に事を運んでも戦況を返される場面もしばしば。そうでなくては面白くないがそればかりでも当然のこと面白くない。
「検討しよう」
「お前ら今日はもう下がって休んでいーよ」
玉座を離れた双子が扉へ向かうのを傍らで待機するだけだった光の化身がふわり浮遊して後を追う。その最中ぽつりとひと言。
「ダーズ」
返事はない。
「?」
スピカの頭上に影が差した。
「ばぁ」
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