遊ばまほしきばかりなれど



「流石は破壊神クレイジーハンド」

キーラはにこやかに。

「勝利を譲るとは慈悲深い」
「もういいよそれ!」

また負けた。シンプルに負けた。

「クレイジー」
「十一手目!」
「分かっているならそれでいい」

マスターに指摘を受けたクレイジーはぎりぎりと奥歯を噛み締めながらダーズを睨み付ける。

「ビギナーズラックって言うんだからな!」
「もう一回する?」
「しねえよ!」
「はは」

キーラはくすくすと笑って、

「愉しいな」


……あれ。


「お前さぁ」
「何かな」
「下剋上とか企んでないの?」
「どうしてそういう話になるんだ」

マスターが呆れたように突っ込む。

「だってこいつ連日兄さんに勝負仕掛けてきて、絶対何か企んでるだろ」

キーラは人差し指を立てる。

「……何その手」
「題名」
「急にメタいんだけど」

遊ばまほしきばかりなれど。

「原文で」
 
 
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