遊ばまほしきばかりなれど



……。……?……、……!?


兄さんが勝った。


「……!?」
「イカサマじゃないぞ」

圧倒的速さで全ての面が揃ったルービックキューブを手に取って隈なく確認してみたが不正は見られない。確かに兄の勝利は喜ばしいが同じ事をしろと言われても出来るはずがない。

「創造神の肩書きは伊達じゃないな」
「その理屈だと僕破壊神の名折れになりそう」

何が起こったのかさっぱり。

「満足したか?」
「次は」
「まだあるのかよ」

思わず突っ込む。

「もちろん」


スマブラ。


「あのさぁ」

クレイジーがどすの利いた声で青筋を浮かべて胸ぐらを掴むもキーラはニコニコ。

「組み手は如何だろう」
「……いいだろう」
「兄さん!」

ぱっと手を離して振り返る。

「……お前は兄を見くびりすぎだ」

返す言葉もなくけれど不服そうにクレイジーが頬を膨らませている間にマスターとキーラはリビングにあるテレビの前へ。抜かりなく用意されているゲーム機をダーズが興味深く見つめている間に使役する触手が準備を進めていく。

「キャラクターは?」
「オーソドックスにマリオにしよう」

というか。なんでこいつ僕の兄さんにしつこく勝負を仕掛けてくるんだ──!
 
 
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