ロックマンの何もしない一日
ロックマンは小さく息を吐く。
彼らの行いを見過ごすのは当然だが隊員たちの計らいを無駄にするのも避けたい。何処から何処までが仕事としてカウントされてしまうのか知らないが手を出さなければいいのだろう?
「、な」
正面から殴りかかった男の拳を片手一つで受け止めて左へ流せば左から向かってきていた男の胸に飛び込んだ。背後から襲いかかる男の腕を潜り抜けるように躱して逆に後ろに回り込み右から飛んできた蹴りを姿勢を低くして回避すれば先程の男の顔面にそれがヒット。
「何してやがる!」
どうもこうも当たらないのだ。
全ての攻撃がまるで無効化されている。
「がッ!」
ロックマンは地面に這いつくばる男の頭を躊躇なく踏み付けると。
「地面の味だったかな」
氷のように冷たく見下しながら。
「確かめてみたらどうだ」
何もしていないのに。
強すぎる──!
「ナメた真似しやがって!」
巨漢は地面を揺らす勢いで踏み出し、ちょうど背を向けていたロックマンに襲いかかった。
「おおおッ!」
ロックマンはゆっくりと振り返る。
「こっちです!」
直後──青い閃光が鳴き声を上げながら巨漢に襲いかかる。制裁を受けた巨漢は白目を剥いて地面に膝を付くとそのまま倒れ込んで。
「ま、間に合った……かな?」
……この声は。