ロックマンの何もしない一日
天空大都市レイアーゼの誇る数ある防衛部隊の中でも最も若く社会的評価もずば抜けている期待の新星。第四正義部隊『フォーエス部隊』。
総員数約五十名。今や時として扱いづらい個性豊かな面々が揃い踏みだがその誰もが等しく内側に秘めた異なる正義を"レイアーゼ国の為に尽くし正義を全うする"という唯一つの目標へ導いて纏め上げる一人の男の存在があればこそフォーエス部隊は要塞の如く堅い意志を貫き、悪の存在を寄せ付けないのだろう。
ロックマン。
フォーエス部隊を先導する正義の鑑。
「──失礼します」
通話を終えて端末をデスクの上に置く。小さく息を吐いたのも束の間次の電話が掛かってきて気持ちを切り替え応対する。
「ロック」
扉を軽く叩いて入室したつもりが生憎の応対中ときたものだ。片手を軽く挙げてから通話に集中するロックマンにマークは共に部屋を訪れたクロムと顔を見合わせる。
「隊長さんはお取り込み中ですか?」
資料の山を抱えて現れたのはしずえである。
「終わったよー!」
「馬鹿、電話中だって」
続いて現れたのはツツイとコウ。
「隊長って忙しいんだな」
「親の顔より見た光景で御座る」
目を丸くするソラにうんうんと頷くミカゲ。
「てーか」
パックマンは腕を組みながら。
「隊長。ちゃんと休んでんのかなあ……」
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