今宵、最高のひと時を
溜め息。
「……兄さん」
ルフレは腕を組みながら。
「名前がださいわ」
「その点に関しては否定できないな」
「ブラピは普通じゃない」
「ブラピって言うな」
本来客側であるルフレの思わぬ指摘に対し正論と感じてかうんうんと頷き賛同するマークとそのヘルプ役として席に付いた呆れ顔のブラピ。当然のようにそれぞれスーツを纏っていて顔面偏差値が高めである所以か似合っている。
「後。メニューの値段設定なんだけど」
「ドリンクに関しては──」
ルフレとマークは身を寄せ合って話し始める。
「口説き文句──」
「僕も思ってたんだけど──」
こいつらは個人店でも立ち上げるつもりか。
「クリスタルいただきました!」
突如として食堂内にマイクを通してパックマンによるアナウンスが入ると、気付いたブラピは席を立って。マークもルフレにひと言耳打ちをすると既に人集りの出来ているテーブルへ。
「いっくよー!」
「はい!」
「シャンパンコール!」
「せーの!」
……これが噂の。
「飲んで!」
「はい!」
「呑まれて!」
「はい!」
「あなたに撃墜!」
「ゲームセット!」
コルク栓を抜く音を合図にミュージックが掛かると手拍子も加わりより一層盛り上がりを見せる。
「姫さま姫さまー」
「はいはい!」
「勝利をあなたに」
「はいはい!」
「ひと言どうぞ!」
デイジーはマイクを奪い取ると。
「今日は盛り上げていくわよ!」