You are Game Master!
くだらねえ。名前なんてどうでもいいんだよ。
こいつらはどうせ知らないだろうが俺には何を隠そうとっておきがある。どんな相手だろうとそれさえありゃパターン持ち込んで完封って寸法よ。反則なんてのはバレなきゃ問題ねえ。
煽って甚振って屈辱を味わせてやる──!
「あのさぁ」
気を削ぐように口を開いたのは。
「待ってるんだけど」
視線を向けた先には二人の少年が居た。
双方共に落ち着いた色合いの装いをしており頭にはハンチング帽を被せている。形は華奢だし窺える肌の色も白く見れば見るほど外の世界をよく知らない餓鬼といったところの様だが。
「……おい」
金髪の男は眉を寄せる。
「なんで二人もいるんだ!」
「だって僕たちふたりでひとつだし」
「ああ!?」
するとその内の青い髪の少年は。
「これは失礼」
長袖の上着に手を掛けて。
「事情を説明するのをすっかり忘れていた」
……するりと。
その瞬間店内がざわついた。金髪の男も思わず目を開く。上着の下にタンクトップを着ていたその少年の左腕は二の腕の半ばからすっぱりと失われ包帯が施されていたのである。
「、訳あってこんな形だがゲームを愛する心は他の誰とも変わらない。どうか同じようにこの祭り事を愉しませては頂けないだろうか?」