You are Game Master!
……成る程。
それなりに噂も立っていたことだろう。彼らは警備のつもりでこの場に立ち入ったのだろうが光有るところ影有りといった具合に運が良くも悪くも悪の芽を摘み取る形となったようだ。
そうこうしている間に通報を受けた警察が駆けつけてきて男たちを引っ張り起こし回収。二言三言ロックマンと言葉を交わして歓声も上がりこれにて一件落着──かと思いきや。
「失礼」
簡単には逃してもらえない様子。
「全試合、拝見させていただいたよ」
ロックマンはにこやかに。
「見事だった。彼らの思惑には気付いていたのだろう?」
クレイジーが視線を遣るとマスターは全く同じ愛想笑いというものを返しながら。
「公式のルールに従い実力で圧倒する──それこそが不届き者への報復でありゲーム開発者の方への最高の敬意であると考えたまでのこと」
よくもまあ。
心にもないような事をずけずけと。
「ふふ」
昼ドラよろしく主婦たちの黒い腹の探り合いを見せられているかのようだ。
「ところで」
ロックマンは口を開く。
「差し支えなければ君たちの容姿について少し経緯をお聞かせ願えないだろうか?」
あくまでも笑みを絶やさずに。
「これも何かの縁。我々も正義として君たちをそのような格好にたらしめた根源を絶つ助けになれるのであれば喜んで尽力を尽くそう──」