You are Game Master!
「アメージング!」
歓声が上がる。
「何ということでしょう! 我が決勝戦を飾る最後のゲームはまさかのパーフェクトショット──勝利の女神はこの二人に微笑んだ!」
店員の男はマイクを台の上に置くとそれぞれの手首を掴み寄せて振り上げた。大盛り上がりを見せる会場にマスターとクレイジーはちらっと顔を見合わせて嬉しいやら恥ずかしいやら。
「悪くないんじゃなかったのか?」
「たまには、だよ」
まるで栄光を讃えるように向かって正面という特等席で拍手を送るタブーは運動会の保護者参加競技で自分の親が華々しく一位を飾ったかのような微笑ましくも誇らしい姿そのもので。
「お二人には景品として」
ざわつく。
「おいおいおいおい!」
声を荒げながら人混みを掻き分けて現れたのはなんと先程の男たちだった。
「デタラメ抜かしてんじゃねえぞ!」
「嘗めやがって!」
「どうせチートでも使ったんだろクソガキ!」
簡単に手を引いてくれるはずもないと予測はしていたがそれにしたってブーメランを顧みない散々な言われようである。
「オイ店員。決勝戦やり直せや」
金髪の男が鋭い視線を飛ばすと側で控えていた女性店員はびくっと肩を震わせた。その間にも空気は一転してまさか本当に狡猾な方法で勝利したのではないかと観客がちらほら囁く始末。先程まで大盛り上がりを見せていた傍らの男性店員さえ言葉を迷わせ立ち尽くしている。
「往生際が悪いんじゃないの」
クレイジーのぼやきを見逃さない。
「調子に乗るなよ」
編み込みスタイルの男が拳を振りかぶった。
「クソガキがぁ!」