You are Game Master!



研ぎ澄ませ。

「六時照準」

聴こえるのは。

「左、二センチ」


兄の声だけ。


「な……!」

次々と襲いかかる敵の群れを恐れる様子もなくヘッドショットを決めていく。男たちは思わず目を開いて驚いていた。兄はともかく弟の方は明らかに今回のゲームに対し苦手意識を持っているかのような振る舞いをしていたのに。

なのに。躊躇いもなく迷いもなく。


──次々と。


「右上、五ミリ」

普段やっている事と変わらない。

兄さんの声だけを聴いて兄さんの為だけに破壊する。それ以外が見えなくても聞こえなくても僕には兄さんがいればそれだけで。


この愛は盲目なのだから。


「左、十センチ」

撃ち抜く。点が加算されていく。

この目で捉えた獲物を逃すはずもない。


余さず残さず。

そして。勝負の結果は──
 
 
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