You are Game Master!
ぱん、と互いの手を打ち合わせて。
「楽勝楽勝っ!」
堂々の勝利を収めたところでふたりは自販機の前に移動していた。流石にまたドリンクを購入する気にはならなかったが次に控えた決勝も見事勝利を収めたならばその時は大袈裟に甘味を囲んで祝勝といきたいところである。
「心配するまでもなかったな」
「当然だろ。僕は兄さんの弟なんだから」
マスターはくすくすと笑う。
「まるで"スター"のようだったな。そのままダンサーに転職でもしてみたらどうだ?」
「もう。そうやってからかうのはやめてよね」
わざとらしく膨れるクレイジー。
「みつけた」
と。ぱたぱたと駆け寄ってきたのは。
「お前どこ行ってたんだよ」
「そとにはでてないよ」
「うろちょろしてたら危ないだろ」
兄に対する態度と裏腹にタブーを突き放すかのような言動の目立つ彼だが、ああ見えても本当の家族のように気にかけているのだ。その点を指摘するとまた誤魔化されてしまうわけだが。
「ゲームしてるの?」
「別にお前のためじゃないからな」
「まだ何も言ってないぞ」
タブーは首を傾げて。
「がんばってね」
「お前に言われるまでも」
「つぎはおばけがでてくるゲームだから」
……へ?
「ふぁいと」