You are Game Master!
関係ないなあ。
「……!」
右目が使えなくても正攻法でも。
──僕が勝てばいいって話でしょ。
「マジかよ」
誰かが独り言をこぼした。
パネルを踏む足音も聞こえない。それ程に彼の少年のプレイは例えるなら蝶の如く華麗に舞うように人々を魅了する軽やかなステップで。
「く……!」
編み込みの男は思わず焦りを滲ませる。
ここ数日一度たりとも見かけなかった初心者も同然のハンデ抱えた餓鬼がプロの俺と対等に、いやそれどころか全ての場面で最高評価を叩き出しているだと──!?
「えっ後ろのバー使わないんだ」
二人組の女性がこそこそと。
「それで高得点ってあの人より凄いかも」
ぐ……!
ここまでのスコアは両者ノーミスだがこのままいけばぽっと出の餓鬼に俺は負ける。
ふざけやがって。こんな餓鬼に──嘗められるわけにはいかねえんだよ!