神のみぞ知る世界は



戸惑いがちに。

もう一度、彼らを振り返って見る。

「神様にも社会やそれに基づいたルールというものがあります」

軽やかな音色が遠く。

「自分より地位の高い存在には逆らえないのはもちろんのこと、今度はその逆に地位の高い存在である者がその立場さえ忍んで全て呑み込まなければならないこともあります」


仕方ないよ。

そんな声が妙に頭にこびりついていて。


「大体。こっちじゃ神様かもしれないが元々は亜空軍仕切ってるクソ餓鬼だろ。そんなのオレからしてみれば清々するね」

追い討ちをかけるようにブラピが言うがそれも納得のいく意見だった。自分はそうは思えないが普段の行ないと天秤に掛ければ両極端の扱いも結局は釣り合いが取れているのだ。

「……ね」

宴の席の景色が遠い。

「ルーティ」

念を押すようにして繰り返す。その答えを聞くまで彼は決して掴んだ手首を離さないまま。

「……わかった」
 
 
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