神のみぞ知る世界は
創造神様と破壊神様だ。
傍らに居られるのは禁忌神様ですな。
麗しい。
朱雀の羽根の一枚のような御髪。いや兄上殿の深海を映した眼もまこと、美しいこと。
忌ま忌ましい。
何故このような場所に。
不吉を呼び込むだけの邪の神が。
……声。ルーティは静かに目を細めた。
早足で進んで最奥付近まで来たが手首を掴まれ以降の進行を阻止される。
「ルーティ」
黒いもやもやが拭い去れない。
「気持ちは分かるんだけど」
上手くこの場をおさめるような言葉が見つからないで口籠もるピットにそこでようやく自分は迷惑をかけてしまったものだと察する。後から追いついたパルテナとブラピも、何か言及するでもなくただ此方の意向を窺っているようで。
「ピットは、……嫌じゃない?」
気まずそうに訊ねた。
「……そりゃあ」
親愛する女神をちらりと尻目に見る。
「でも、引きずられてきたわけじゃない」
ルーティは黙り込む。
「あいつらが選んだことだろ?」