神のみぞ知る世界は
ああ。そういえば。彼らは神様だっけ。
そんなことをぼんやりと思ったのは彼らが神様という孤高の存在でありながら親しみやすく距離を近く感じていたからこそ。寧ろあちらから積極的に訪ねてくるなど珍しくもない話で。
「想像もつかないよね」
「……うん」
ルーティはこくりと頷いた。
開けた道をゆっくりと歩く彼らは、会場最奥の宴の席へ導かれる。確かにあの場所だけ誰も腰掛けないなとは思っていたがまさかそれが彼らの為に用意された神聖な席だったとは。
「仲良しなら手を振ってみろよ」
揶揄か風刺か。或いはその両方かも知れないがともかくブラピの提案はぶんぶんと必死に首を横に振って拒否した。
今の彼らは紛れもない"神様"なのである。
そう思うと心なしか遠く感じた。いや。
普段こそ。彼らが自ら歩み寄っているだけで。
これが本来の距離間かもしれないな。