神のみぞ知る世界は



「冗談はさておき」
「あれ、冗談だったんですか?」
「冗談じゃないですけど」

二人のやり取りに思わず転けそうになる。

「気をつけてくださいね」

その女性は改まって注意を促した。


「見つかったらどうなるか分かりませんから」


こくりと頷く――その少年こそこの場には本来居るはずのないルーティだった。

この場に居るはずもないと今回例えたのは至極当然の話で、この大神宮が"神在祭"が行なわれる期間中は神様とその使いの者しか出入りが許されていなかったからに他ならない。

先程の女性――パルテナがルーティに向かって注意を促したのも、神様は神様でも善良な神様ばかりではないからこそ。

確かに。自分たちの為だけに新世界を創るだの邪魔者を破壊するだのと好き放題してる神様を見てきてるから説得力があるんだけど。

「関係ないな」

はん、と軽く笑って口を開いたのはブラピ。

「相手が神だろうと返り討ちにしてやる」
「というのが悪い例です」
「勝手に見本にするな!」

……賑やかなことだ。
 
 
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