神のみぞ知る世界は
ちりん、と。鈴の音が遠く。
「目を開けて」
優しい声に従って恐る恐る瞼を開いた。
「……!」
反射的に声を上げそうになったが、呑み込む。
そこで目にしたのは。
「ッ……創造神……破壊神……!」
普段の立ち振る舞いに見合わず優しい声で後ろから囁きかけたのはクレイジーだった。正面に向き直れば兄弟揃ってどういった心境の変化か庇うようにして立ち塞がるマスターの姿が。
彼らが出てくるものだとは。
というのはどうやら蛇の男も同じだった様子で冷や汗を浮かべて睨み付けている。
「テメェら神様が一体どういうつもり」
「……くく」
ふと。静寂を打つように零れた笑みは。
「くははは……ははっ……!」
次第に泉のように溢れ出る。
「確かに。我々が我慢させられるなどとは」
彼の者は不敵な笑みを浮かべて。
「可笑しな話だな……?」
、この空気は。微かに肌を刺すかのような嫌な感じは間違いなく覚えがあった。ざわざわと、見えない何かが牽制しているような──