神のみぞ知る世界は
びく、と肩が震えた。
「た……食べられるつもりはない、です」
蔵面のお陰で此方の表情こそ相手には窺えないだろうが何処で悟られるのかも分からない以上怯えてはいけないと睨み返し反抗の意を示す。
「生意気な……」
「なんと言われようが結構です」
「減らず口を叩くか?」
「……何度でも」
ルーティはぐっと拳を握り締めて。
「神様だからとか、関係ない」
言い放つ。
「それがどんな立場だったとしても。我慢していいはずも、させていいはずもないんだ!」
だって許せなかったんだ。
誰が思うより。僕にとって彼らは。
「上等じゃねぇか」
空気の色が変わるのを肌で感じ取った。少年の直向きな想いを込めた訴えはとうとう蛇の本能というものに障ってしまった様で。
「だとすりゃあコッチも」
獲物を捉える獣の如くカッと目を開く。
「我慢していいはずねぇよなあ!?」