お姉ちゃんに任せなさい!



……。

「どうしたんだ?」
「うっううん」

リュカは首を横に振った。

「……おとなしいなって」

そう指摘したのは子供の姿になってからというものユウの後ろにぴったりとくっついて離れないリオンのことである。

普段が飛び抜けて変質的且つポジティブであるため想像がつかない。此方の視線には気付いているようだがどうにも警戒した様子で終始無言。

……そういえばあれだけ積極性に溢れているにも関わらず彼の過去がどうであるかなどは全く聞いたことがない。だからといって探るつもりもないが彼の家系は代々人の心というものを肉眼に透かして視る能力を持っていた。

幼少期のこの状況と照らし合わせてみると否が応でも察しがついてしまう。

「り、リオン」

控えめに呼んだのにそれだけでリオンは小さく肩を跳ねて。

「その」

歩み寄るのはどうしても苦手だ。


……でも。


「僕の名前はリュカ」

手を差し出す。

「君と仲良くしたいんだ。だから改めて名前を教えてくれないかな」
 
 
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