お姉ちゃんに任せなさい!
可愛くない。
子供らしさといったものがただの欠片も窺えない。確かにリンクのことはずっと兄ちゃんと呼び慕ってきたが相手が誰であれ態度ひとつ崩さないスタイルはもうこの頃から始まっていたのか。
「それでどうするんです?」
「依頼の魔物を見つけてぶっ倒す。実際姿も見てないし、」
「今回の事件と何らかの関連性がある」
口を挟んだのはユウだった。
「確証はない。だがもし仮にそうだった場合このまま引き返すのはよくない」
「せめて確認するゆうことやな」
うんうんとドンキーが頷いて納得する。
「……ほんでその魔物っちゅーのは何処おるんや?」
「今から探しに行くんだよ」
「知らんのかい!」
芸人ばりのずっこけっぷり。
「しょうがねえだろ。これでも一時間はこの森の中歩き回ってたんだぜ」
「いっそ罠かけて待ち伏せしといた方がええんやないか?」
「なかなか冴えた提案ですね」
「やろ?」
「いやそれ俺たち言ったし」
「しかも却下されたし」
血は争えない。