お姉ちゃんに任せなさい!
突然ピチカが声を上げてその場から飛び退いてしまったのにも無理はない。
「……な」
わなわなと震えながら。
「なななななーっ!?」
そこにいたのは少女だった。
「れでぃー相手にそんな風に声を上げるなんてでりかしーがないでしゅ!」
ウェーブがかかった桃色の髪をあざとくツーサイドアップにしてセットしてあるその少女はいつからそこにいたのか全く検討もつかない。それともあの深い霧の中で知らぬ内に合流したのだろうか。
「うわっ!」
かと思えば今度はネスが少し声を上げて大袈裟に身を引いた。
「失礼な子供だな」
そう言ってのけるのは先程の少女と同じくらいの背丈の紫色の髪の少年。そしてその後ろには遠慮がちに黒いメッシュの入った青色の髪の少年が顔を覗かせて。
「ふえっ、誰でしゅか?」
「迷子じゃないか」
「いやお前たちが言えたクチかよ」
「そうですよ」
トゥーンに賛同するようにいつの間にか隣に立って頷くのは見覚えのある服装の少年。視線に気付いて此方を向いたのでディディーは慌ててトゥーンの腕を引くと彼らに背中を向けて耳打ち。
「なっなんか変じゃねえか」
「俺もそう思う」
恐る恐る振り返る。
……まさか。