お姉ちゃんに任せなさい!
ああだこうだと張り合う彼女たちの何とまあよく似たことか。
つんとそっぽを向いて渇いた喉を潤そうと泉の縁に膝をつくリムの背を見つめてピチカは疲れきったように溜め息。
……あーあ。
早く元の姿に戻ってくれないかなぁ……
「……、」
ぱしゃっと透明な水を両手で掬い上げて小さく開いた口へ運ぶ。冷たく澄んだ水が喉を通い水分を行き渡らせるのを感じながら閉じていた瞼を開いてふと水面に映り込んだ自分の姿を見つめた。
「あたしって」
リムはぽつりと呟く。
「こんな顔してたっけ……」
それは彼女にとってはただの何の変哲もない疑問だろうが今この状況に限定するなら恐ろしく的を射たものだった。
「違うもん」
ピチカはふて腐れたように。
「本当はもっと優しくて美人だもん」
どうせ言っても分かりはしないだろうが何となく嫌味を吐いて置きたかった。
案の定リムはゆっくりと立ち上がりつつ怪訝そうにそちらを振り返る。
「? 何を言って――」