お姉ちゃんに任せなさい!



あの道を行けど、この道を行けど。

時折揺れる草叢に期待を寄せて注目するが飛び出してくるのは標的の魔物ではなく兎や鹿といった無害の動物ばかり。

「つーかーれーたー!」

遂に他愛ない話にも追いかけっこにも飽きてしまったのか根を上げたのは他でもないリムだった。

「いつまで歩かせるつもりでしゅか!」
「んもーっわがままいわないの!」
「じゃあおんぶ!」
「レディに担がせるの!?」
「胸もないのにあつかましいでしゅ!」
「んなああああっ!?」

女同士の何とも平和的でくだらないやり取りを目の当たりにしながら彼らはまた大きく切り開かれた場所に出ていた。

草地に小さな花々が咲くそこは何処より空気が澄んでおり、奥には泉の女神でも潜んでいそうな泉がある。

ディディー達は少し歩いていったところで足を止めたがピチカとリムは飽きず口論を飛ばし合いながら泉の側へ。

「止めなくていいのかよ」
「……放っとけ」

これである。

「でりかしーがない女でしゅね!」
「リムに言われたくないよ!」
 
 
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