お姉ちゃんに任せなさい!




「つーかーれーたー!」

開口一番。森の中。

「全然魔物いないよー!」
「兄ちゃん本当に合ってんの?」
「もう逃げてたりして」
「早く帰りたい……」
「う、うん……」

口々に喚く子供組を振り返るのは。

「騒ぐと余計に逃げますよ」
「リンクの言う通りやで」
「辛抱が足りないんだから」
「本当に子供だな」
「賑やかなのは良いことだぞ!」

彼らを相手にいつも手を焼かせている、ご存知保護者組。

「甘やかせてどうするのよ」
「飼い主に甘やかされとるからなぁ」
「馬鹿を言うな」
「もっと甘えてもいいですか」
「相応の働きを見せたらな」

申し遅れたがここはレイアーゼ都心部の外れにある静かな森。どうしてこの場所を訪れたのかと言えば最近知能の高い魔物が森の中に入った人間を惑わせて襲うと言った報告が何件も寄せられたからである。大きな怪我人は出ていないがこれが出てからでは遅いということで今回保護者組と子供組が出向いたのである。

「わんっ!」

激しく尻尾を振るリオンを見て。

「うわ。返事してるよ……ああいう大人にはならないようにしようぜ」
「道踏み外さんかったらああはならんと思うけどなぁ」
 
 
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