あだ名で呼ぼう!
――食堂。
「おっ」
扉を押し開くと真っ先に気付いて振り向いたのはパックマンだった。ああどうもと目を見張っているとその傍らこれまた呑気にさも当然かのように紅茶を啜っていたロックマンが顔を上げて。
「いらっしゃい。どうしたの?」
単刀直入に。
「ロックマンは直ぐに分かったんだけどピチカが変なことを言うから誰のことを言ってるのか分からなかったよ」
「はは。それはまたお騒がせしたな」
ロックマンはくすくすと。
「……実はな。うちの部隊の親睦をより深めようと思って今回それぞれに愛称というものを考えてみたんだ」
ルーティは向かいの席に座りつつ、
「なかなかいい案だね。例えば?」
「お兄ちゃんとか」
「あ、やっぱりあだ名だったんだ」
「バクスラマズイネとか」
ん?
「殺意の波動とか」
「す、凄く特徴が取れてるね……」
ロックマンはにっこりと。
「おじいちゃんとか」
「モウカのこと?」
「ママとか」
「ろ、ロゼッタかな」
よく分かったな、と本人は笑っているが本当にそれで呼ぶつもりだろうか。そのつもりだからピチカまでそう呼んでいたというか呼ばされていたんだろうけど。
「そこで」
ルーティはきょとんと顔を上げる。
「少し提案があるんだが」