あだ名で呼ぼう!
「……、」
ブラックピット。
「おい」
突っ込むのも無理もない。
「これはあだ名じゃなくて名前だろ!」
「あらそういえば」
気付いたパルテナは目を丸くする。
「ブラピというあだ名があまりにも馴染みすぎて違和感を感じませんでした」
「お前が名付けたんだろ!」
ぎゃあぎゃあと喚くブラピの傍ら自分の抽選箱の穴の中に腕を突っ込んで引き出した紙に書かれたミカゲのあだ名は。
「……ミカ?」
「女の子みたいだね」
隣の席のカムイがぽつりと。
「僕なんかカムカムだったよ」
「私はカナでした」
カムイに続けて決まったあだ名を告げるカンナだったが……こうして聞いていると小中高の女子学生が付けるかのような可愛らしいあだ名である。
「な、何だか若返った気分で御座る」
「羨ましいのう」
そう呟くのは向かいのシラヌイ。
「儂なんか“おばあちゃん”じゃぞ」
「俺は“おっさん”だったな」
続けてドクター。どうやら名前ではなく年齢的立場をあだ名にされたメンバーも少なからずいる様子。
「シュルクはどうだったんだ」
ドクターが訊くと隣のシュルクは自分の引いた紙をじっと見つめながら。
「……ザン」
「引き直せ」
ネタバレ厳禁。