あだ名で呼ぼう!
本人は微笑をたたえているが。
「急にそんなことを言われても……」
「想定内の反応だ」
困ったように手のひらに片頬を預けて首を傾けるパルテナにロックマンはふっと笑みをこぼすと横長のテーブルの下から四角い箱を取り出して。
「実はもう既に作ってある」
用意周到。
「きっちり人数分。お前たちの足下にも同じものがあるはずだ」
言われた通りテーブルの下を覗き込んで確かに同じ作りの箱が置いてある。いわゆる抽選箱というやつだった。
全員がそれをテーブルの上に並べたのを確認すると。
「箱の中に紙とペンが入っている」
ロックマンは次の指示を出す。
「紙は二十一枚。自分を除いた隊員全員のあだ名を一枚ずつ紙に書いてほしい」
「それを箱別に回収してくじ引き形式で決めるという寸法だね」
ロックマンは深く頷いた。
「はん。嫌だね。誰がそんなこと」
「でっでも考えようによっては今のそのブラピというあだ名を訂正してもらえるチャンスかもしれな……」
「なんだと?」
「ごめんなさい!」
即座に謝るミカゲに頬杖をついて小さく舌を打ち顔を背けるブラピだったが。
……そういう考え方もあるか。
「では始めてくれ」
まあいい。
だったらオレは。今よりマシなあだ名を引いてやるだけだ――!