あだ名で呼ぼう!
亜空軍所属。偽物集団ダークシャドウ。
彼らがどうして敵対組織X部隊の屋敷にいるのか、そんなものはさして問題ではない至って普通の日常である。
「ルー、菓子ねえの?」
敵意がなければ無闇に戦う必要もない。
「茶屋じゃないんだよ此処は」
それにしても。
「ルー君は厳しいですねぇ」
ルーってなんだ。
こうして聞いた限りではカレーのルーという話でもなさそうだ。となるとここはやはり彼ルーティの愛称か?
「た、隊長?」
なんかすげー怖い顔してんだけど……
「そういえば」
ふとダークファルコが訊ねた。
「迷惑ではありませんか? 我々がリーダーを真似て愛称でお呼びすることは」
やけにしおらしい。
「あはは、そんなことないよ」
対するルーティは笑って。
「愛称で呼んでもらえるのは正直言って嬉しいし親近感が湧くし」
「そうでしたか」
打って変わっていつもの笑顔。
「ふふ。確かに愛称である方がただ普通に呼ぶより友人感覚で他よりお近付きになれているような気がしますね……?」