エピローグ
「わあっ……」
一面の向日葵畑だった。
向日葵の咲いていない薄茶色の地面が、真ん中にぽつんと置かれた墓石に向かって伸びていて。ルーティは迷わず駆け寄り。
「これで借りは返したよ。それじゃあね」
墓石に駆け寄るルーティを横目に、近くにいたウルフにそう告げると、クレイジーはさっさとその場を離れて。
ウルフは黙ったまま、墓石の前で跪くルーティを離れた所から眺めていた。
「……本当に死んでたんだ」
ルーティは墓石にそっと触れると、寂しげにぽつりと呟いては目を細めて。
――その墓石には、ラディス・フォンとローマ字で彫られていた。改めて父親の死を実感し、ルーティは思わず俯いてしまい。
「……父さん、あのね」
ふとルーティは顔を上げると、墓石に話しかけて。その本人には聞こえるはずがないと、分かっていながら。