エピローグ
間もなくメヌエルは見えてきて、ウルフはあの時と同じように森の入り口にある野原にウルフェンを停める。
「ありがと! よしっ、行こ!」
「じゃあ……競争な!」
ピチカとスピカは右翼から飛び下りると、競争と称して共に森の中へ。
ルーティは微笑ましい兄妹の背中を見送りながら左翼から飛び下りると、ウルフェンから下りたウルフの手をすかさず掴み。
「急かすな。一服させろ」
「やだ。僕、煙草の煙嫌いだもん」
そんな会話を交わしながら、ウルフはルーティに手を引かれながら、共に森の中へ。
「場所は分かるのか?」
「大丈夫だよ」
――以前、ここに来た時は殆どが亜空間に取り込まれてしまっていた。
今は修復して、元通り。道順は同じなのだろうから、案内人がいなくとも平気だ。
……そう思っていたのだが。