エピローグ
「……お父さんとお母さんに、会おう?」
スピカははっと顔を上げて。
「きっと、凄くびっくりすると思う。でも、ちゃんと言おうよ。“自分は大切な人達を守るために戦っています。だからまた、暫く帰れません”って。ねっ?」
ピチカがそう告げると、スピカは暫く黙っていたが、頷き、右翼に飛び乗った。
「そうだな。……そうするよ、ピチカ」
ウルフは三人がちゃんと翼に座ったことを確認すると、いよいよウルフェンはゆっくりと浮上して、間もなく飛び立ち。
一応、ピチカは初めて乗ったので、向かい風で落ちてしまわないように配慮して、ウルフェンの速度は普段より落としていた。
ピチカとスピカは楽しそうに会話を繰り広げていたのでそのことには気付かなかったが、ルーティだけは気付き、左翼の内側に寄ってはコックピットに寄り添って。
「どうした」
ルーティに気付いたウルフは、横目で見遣っては訊ねて。すると、ルーティは小さく笑みを溢し、瞼を閉じると。