エピローグ
時間はとっくに過ぎていた。
しかし、ルーティはそれを知ってか知らずか、ひと呼吸置いては話を始めて。
「今回の騒動で、レイアーゼの誇るべき特殊防衛部隊でありながら、世界を半壊にまで追い込み、気高きレイアーゼ自身に泥を塗ってしまったということは百も承知です。そちらはお詫び申し上げます」
司令官は腕を組み、黙って聞いていた。
「……ですが、此方には結果的に世界を救ったという利点があります。二ヶ月間、何者にも邪魔をされなかったのが何よりの証拠となりましょう。ですから」
ルーティは語気を強めて。
「お願いします! どうかX部隊を解散させないでください……僕の、いえ、皆の居場所を、取り上げないでください!」
――沈黙が訪れた。
司令官は短く息を吐き出し、机の前に出てくると壁に掛けられた時計を見遣り。