最終章
タブーの体から真っ白に光輝く球体が放たれ、それは空高く昇っていくと、空に溶け込むようにして消えてしまった。
ラディスの憑依が解けて自由の身となったタブーは、フォックスらを振り返って。
「……そう。これが、きみのこたえ」
ぽつりと呟いて、空を見上げる。
そして再び背中を向けると歩き出し、先程のマスターとクレイジーのように徐々に透けていき、やがて、消えてしまい。
「フォックス……」
ぽつりとファルコは名を呼んで。
フォックスはただ、あの真っ白に光輝く球体が消えた空を、黙って見上げていた。
――なあ、ラディス。俺は、お前の本当の願いを、ちゃんと叶えてやれただろうか。
「……皆」
フォックスは一旦俯き、それからぽつりと呟いては顔を上げると、振り返って。
「帰ろっか」
元の世界へ。俺達の居場所へ――