「何が目的だ！」

ルーティは姿の見えないマスターとクレイジーに向かって、声を荒げた。

クレイジーはくすくすと笑って。

「ルーティってば、そう怒鳴らないでよ。本当は君とそのパートナー無しで始めようと思ってたんだ。僕も兄さんもびっくりしてるんだよ？　だから、褒めてあげる」

そう告げて、クレイジーはマスターと揃ってくすくすと笑い。褒めてるのか貶してるのか、とにかくそれは不快だった。

ぐっと拳を握り締めては怒りを押し殺しているルーティに気付いて、ウルフはぽんと優しく頭の上に手を乗せる。

「……ふふっ、忘れるところだった」

クレイジーは一頻り笑った後で、いよいよ本題に入るつもりなのか、切り出した。

「これから、君達Ｘ部隊にはあるゲームに参加してもらう。ルールは簡単」

そこまでクレイジーが告げると、真っ白な壁に赤紫色の光が横一列になって点々と灯り、幾つもの赤紫色の扉が現れて。