第六章
「ああっ!」
続いてルーティの悲痛な叫び声が響き渡り、左肩に鮮血がじわりと滲む。
気付いたマリオが飛び起きて、「やめろ!」と声を上げる。咄嗟にゲムヲが静止させるように、後ろから抱きついて。
「動くんじゃねえ!」
ウルフが銃口をマリオに向けると、マリオは言葉を詰まらせて。いつの間にかリンクも、ヨッシーも立ち上がっている。
「うごいちゃ、だめだよ」
ぽつりと呟いたタブーの瞳が怪しい光を宿し、薄紫色のオーラが体を纏って。
すると、立ち上がった全員の体が金縛りにあったように、身動きが取れなくなってしまい。これもタブーの力なのだろうか。
「ウル、フ……僕、ね」
撃たれた左肩と踏みつけられた腹がじんとして、ルーティは目尻に涙を浮かべる。
それでも、震える声で。
「信じてるんだ……ウルフ。僕……っ、パートナーだもん。だから、信じてる……」
ウルフは鼻で笑い飛ばして。
「面白いじゃねえか」
再び、ウルフは銃口をルーティに向ける。
「てめえがそのつもりなら、何度だって裏切ってやるよ!」