第六章
意識を取り戻したリンクが声を上げる。
「そんなっ……無茶苦茶な、条件……!」
咳き込むリンクを案ずるように、ロボットが背中を摩る。マスターは溜め息を洩らすと、ぱちんっと指を鳴らして。
すると紫色の髪の少年、タブーがリンクに注目し、おもむろに右手を突き出すと。
「っく……あぁ……っ……!」
突然、リンクが苦しみだしたのだ。
首を絞められているわけでもないのに、両手を首元に添えて、悶える。見れば、タブーはゆっくりと右手を握っていく最中で。
恐らく、あの手の動きが原因だろう。
「やめて! 条件は呑むから!」
ルーティが声を上げると、マスターはほくそ笑み、足下の床を軽く踏み鳴らす。
すると、タブーは右手を下ろし、両手を後ろに回して。ルーティを振り返り、小首を傾げては微笑を浮かべると。
「きみがまけたら、ぼくがかれらをころすことになってるみたい。がんばってね」